「産業道路はダイエーに始まりダイエーに終わる」

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　「産業道路はダイエーに始まりダイエーに終わる」−国道２７８号線から産業道路を北上すると、私たちがまず目にするのは、松倉川を越えたあたりで右手に見えてくるグルメシティ湯川店だ。ダイエーの郊外型店舗のバリエーションのひとつである同店は一階の生鮮食料品売り場と二階の婦人服売り場を中心に、書店、ファストフード、１００円ショップなどの各種テナントがその脇を固める。市電通りとの交差点を越えて北上していくと中学高校の多い地区のせいかケンタッキーフライドチキン、モスバーガー、サーティワンアイスクリームなどファストフード店が並ぶ。そして産業道路がその本性を発揮するのは山の手と呼ばれる市の北部を過ぎた辺りからだ。道路を挟んでほぼ斜め向かいに位置するファッションセンターしまむらとTSUTAYAの競演をきっかけにモータリゼーションを前提とした郊外型の大規模店舗のオンパレードが始まる。GEO、洋服の青山、ホーマック、マクドナルドのドライブスルー、「走り屋天国セコハン市場」、びっくりドンキーーそれはもはや函館という固有名詞を冠した都市の風景ではない。いや、そこはもはやどこでもない場所なのだ。（前掲書）