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ナボコフは、その著作『ロリータ』の中で自身もっとも気に入っているシーンのひとつに、ロリータが通う学校のクラス名簿をハンバートがただただ読み上げるシーンを挙げています。40名にも及ぶ生徒達の名前は、ページの見開きを全て使用して羅列され、読者にとっては飛ばし読みしたくなるような一見無意味きわまりない場面ですが、ナボコフはそこに緻密なトリックを張り巡らせ、生徒達の名前ひとつひとつに意味を与えています。

http://keibunsha.jpn.org/?p=3148

作中人物であるハンバートが半ば恍惚状態でその名簿を読み上げるのは、その中に愛するドロレス・ヘイズの名前があるからだとしても、ナボコフが自ら生み出した架空の生徒達の名前のリストに愛着を覚えるのはなぜなのでしょうか。

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