「よう、テレビでよく見る三流芸人じゃねぇか」

立川談志 - Wikipedia


談志が芸人として絶頂期にあった頃、行きつけの酒場で見知らぬ老人からいきなり「よう、テレビでよく見る三流芸人じゃねぇか」と声をかけられた。既に酒が入っていた談志は憤慨し、「この野郎、どうせ落語なんかろくに知らねぇんだろう」と激しく詰め寄ると、老人は噺家顔負けの掛け合いを披露してみせ談志を黙らせてしまった。


実はこの老人は紀伊國屋書店の社長の田辺茂一で、酒場で出くわしたことは偶然ではあるものの、売れっ子になり時折慢心をのぞかせていた談志を懲らしめてやろうとわざと怒らせたのだという。その後二人は公私共に信頼しあう間柄になり、田辺が病死した際は談志に本人の遺言で形見分けがなされた。