サムライアリという奴隷狩りをするアリがいます。別の種のアリの巣に集団で押し入り幼虫を根こそぎ持ってくる。その幼虫はサムライアリの巣で孵って働いてくれる。これを奴隷制といいます。奴隷狩りをするときに巣から出てみんなで行列になって走って出かけるけど、必ず逆向きに走っているアリがいる。なぜそういうムダな動きをするアリがいるのか簡単なシミュレーションをやったんです。

http://gcoe.ees.hokudai.ac.jp/mfrs/?p=679&page=2

ある方向に走っているとき、ある確率でターンする、フェロモンを感知できないとターンする、すれ違う個体が何パーセント以上だったらターンする、という3つの簡単なルールを想定しておきます。

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隊列には巣から先導するスカウトがいる。基本的にスカウトはフェロモンを出して、みなスカウトするアリに付いていく。あるところでスカウトを止めると、このようなルールがあると隊列自体がそれより先に進まなくなって、集団全体が巣に戻る。

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実際のサムライアリには偵察アリがいて相手の巣の位置を見つけてくるのですが、スカウトが止まるということは道をロストしたということなんです。そのまま隊列がつき進んでどっかへいってしまうのでは困る。そういうシンプルなルールがあるおかげで自分の巣に戻ることができる。

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グループを作って集合している知能の低い生き物はすごくシンプルなルールが決まっていて、全体をうまく動かしているようです」

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