ワークショップ:言葉とコンピュータ

   1. コンピュータに日本語の規則を教える

      このワークショップで使う日本語の規則は、数学の式に少し似ています。
      最初に、以下のような規則をつかって簡単な文章をつくります。

            S = A B、A = 太郎が、A = 花子が、B = 起きた、B = 寝た

      この規則を使うと、以下のような文章を生成することができます。

            太郎が起きた、太郎が寝た、花子が起きた、花子が寝た

      ここでは、全部で 5つの規則を使っています。各規則は等号の左側にアルファベットがあり、右側に日本語の単語があります。それぞれのアルファベットを「記号」と呼びます。
      今回の実験では、コンピュータはこれらの規則を使って文章をつくります。みなさんのコンピュータでどんなおもしろい文章ができたか発表してみましょう。
   2. 入れ子になった言葉を教える

      つぎに、もっと複雑な文章にチャレンジします。例えば、次の文章をみてください

            カレーを食べた。
            お父さんが作ったカレーを食べた。
            ふだん料理をまったくしないお父さんが作ったカレーを食べた。

      これらの文章では、説明がだんだん長くなっています。
      「カレー」のような部分を日本語では「名詞句」と呼びますが、2番目の文では「カレー」のより詳しい説明が入れてあります。
      3番目の文では、さらにそのカレーについての説明の中にある「お父さん」のより詳しい説明が入れてあります。

      このように、名詞句のなかにさらに別の名詞句を入れることで、文章をいくらでも長くすることができます。
      あるものの中に、さらに同じ形のものが表れていることを「入れ子構造」と呼びます。
      計算機科学では、この処理はとくに「再帰 (さいき)」と呼ばれています。

      この仕組みを使うと、コンピュータに長く複雑な文章をつくらせることができます。

via http://tabesugi.net/memo/2010/8a.html#191624