だからぼくがニューヨークに初めて行ったときに、最初に会いたかったのがスーザン・ソンタグだったのである

だからぼくがニューヨークに初めて行ったときに、最初に会いたかったのがスーザン・ソンタグだったのである。もっともアポイントメントが到着2日目にしかとれなかったので、1日目はルイス・トマスに会いに行った。

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「さて、ニューヨークはどう？　私以外ではニューヨークでは誰に会うの？」と問われたとき（この問いがすでに鋭いものだった）

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えーっと、昨日がルイス・トマスで、明日はジャック・スミスで、そのあとジョン・ケージとナム・ジュン・パイクを訪ねるつもりだと答えたところ、めちゃくちゃ美貌のソンタグが目をまるくして、

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「どんな知的なアメリカ人だってそんな人選をする者はいないのに、初めてアメリカに来た日本人がそんなチョイスをするとは、信じられない！」

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この一言で、ぼくの初めてのアメリカ旅行の目的の大半が達せられたようなものだった。

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やはりスーザン・ソンタグこそが飛び抜けていたのである。なぜならこの人選の半分は、『反解釈』を読んでいるから思いつけたようなものだったからだ。

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