「彼女は必要とあらば、天使にも、悪魔にもなったのである」
クリミア戦争が勃発すると、翌1854年、自ら志願して38名の看護師を率い従軍した。
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しかし従軍看護団の結成と指揮を任されて現地スクタリに赴いたナイチンゲールを待っていたのは、戦争よりもたちの悪い衛生環境と官僚たちであった。
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ナイチンゲールたちは病院内に入らずともできる仕事、どの部署の管轄にもなっていないために放置同然だった病院の便所掃除に目をつけ、まず便所掃除を始めることによって病院内へ割りこんでいった。
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つぎに、これも管轄が曖昧で人手がなかった衣類の洗濯をはじめた。
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2月に約42%まで跳ね上がっていた死者は4月に 14.5%、5月に5%になったことが後に判明した。
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しかしナイチンゲールの本当の仕事は、クリミアからの帰国後にあった。
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先ず、陸軍軍医局を改革する必要がある。
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官僚制の厚い壁を突破するには客観的な説得力が必要であった。
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統計こそ、ナイチンゲールの武器だった。
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