Solid State Drive kill Hard Disk Drive.

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2009/0225/mobile444.htm

 性能面での注目度が高いSSDだが、MLCには信頼性という問題が常につきまとっている。一部、品質の低いSSDでのトラブルがSSDに対する不安を助長させたという面もあるかもしれない。「もしもの事を考えると、MLCSSDはできれば避けたい」という読者も多いのではないだろうか。筆者も同じように考えていた。

 しかし両氏は「SSDの信頼性が低いというのは、もう過去の話だ」と口を揃える。「MLCの書き換え可能回数がSLCに比べ、1桁少ないことを問題として見ているようだが、実情は異なる。充分に対策が施されたSSDコントローラならば、SLCは通常のPC用途としてオーバークオリティ。MLCの場合でも、欠陥セルが増加し始めるまで使い続けるのは、よほどのヘビーユーザーでも、まず無いと言えるレベル」(西川氏)という。

 SSDの寿命は、同一セルへの書き込み回数で決まる。微細化が進んだ事やMLC化によって回数は以前より減っているのが現状だが、それでも現在、3千回が保証されている。

 注意したいのは、この3千回というのは“3千回書き換えると必ず壊れる”のではなく、“ごく低い確率でセルの欠損が始まる”回数を示しているということだ。3千回に達したからといって、SSDのセル欠損が激増するというわけではない。加えて欠損したセルは無効にされるので、使用可能容量が僅かに減ることはあっても、急にSSDが動かなくなることはないということだ(もちろん、コントローラの故障があれば話は別だが)。

 その上で3千回という書き換え可能回数を評価すると、128GB SSDの場合、次のような計算式で“書き込み可能なデータ量”が導かれる。この数値はLDE(Longterm Data Endurance)と言い、このところいくつかのSSDメーカーが使い始めているもので、計算の方法はJEDECで標準化されている。なお、読み込みは何度やっても寿命には影響しない。

3,000×128GB÷1.5(書き込み効率。エラー時のリトライなどを含めた係数で、NANDフラッシュメーカーごとに異なる。1.5は現在の東芝製NANDフラッシュのスペック)=256TBW(Tera Byte Write)

 つまり、256TB以上の書き込みを行なうと、徐々に容量が減り始める可能性が出てくるということになる(これは保証値なので、実際にはもっと劣化は緩やかだと考えられる)。もし、毎日10GBの書き込みを手持ちのPCで行なった場合で70年、50GBの書き込みを行なったとしても14年も使える計算になる。現在のSSDコントローラは、セル書き換えの均一化技術がすべてに導入されているため、1つのセルが集中的に使われることはない。

 また、上記の値はSSDの容量が増えるほどに増加する。256GB SSDなら寿命はさらに2倍。512GB SSDならば4倍だ。

 しかし、これではSSDの空き容量が少なくなってくると平準化する場所がなくなり、予定より遙かに寿命が短くなるのではと思う方もいるだろう。しかし、書き換えの平準化を行なう機能には、すでに記録されているセルの位置を移動させる機能も含まれているのだという。つまり、情報が保持されたままになっているフレッシュなセルの情報を古くなったセルに移し替え、空いた新しいセルを書き換えに使うといった制御も含め、書き込み頻度の平準化は行なわれている。

 こうした計算に加えて、衝撃への強さといった要素も加味すれば、SSDの信頼性は現時点でも「HDDは超えている(両氏)」と口を揃えるのも、決してブラフやセールストークではなく、確たる自信なのだとわかるだろう。

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